みなさんこんにちは!
今回は以前公式ブログで触れられていた「コロナの影響」に注目して、前作と比べた時のFM21の変更点を紹介していきます。
※Football Manager2021の新機能については以下の記事をご覧ください。
みなさんこんにちは! 待ちに待ったFM21ベータ版が遂にリリースされました。 なんとベータ版リリースから1時間30分の間に、すでに5万人もの人々がFM21をプレイしていたようです! 今回は実際にベータ版をプレイしてみて感じた、[…]
みなさんこんにちは! ベータ版がリリースされてから3日ほど経ちましたが、みなさんはFM21に対してどのような印象を持ちましたか? 各機能へのアクセスのしやすさが大幅に改善されたことに加えて、より現実に近い世界観を表現している点から個[…]
選手の価値は全体的な下落傾向。選手のフィットネスへの影響はなし?
これまでリアルなシミュレーションゲームを提供してきたSports Interactiveにとって、今作の開発過程で起きたパンデミックをどのようにゲーム内に組み込むかは大きな問題の1つだったようです。
結果的に「イギリスのEU離脱」のようなイベントとしてパンデミックが登場することはなく、現実世界で実際に起きた経済的影響やルール変更等がゲーム内で以下の様に再現されています。
- 選手の市場価値の下落
- クラブの財政状況の悪化による移籍市場の変化
- 試合日程の過密化・交代枠の増加
今回はこれらの変更点がFM21でどの程度の影響を及ぼしているのか、前作FM20と比較することで明らかにしてみましょう。
※ベータ版を使用しているため、今後リリースされる正式版やアップデート版とは内容が異なる可能性があります。
※今回の記事で取り扱っている現実世界のデータは「Transfer Markt」「CIES」を参考にしています。
選手の市場価値の変化
以前行われた配信や公式ブログの中で、FM21では選手の市場価値に関しては以下のような変更が加えられていると説明がありました。
- FM20で5~20Mポンド以下の評価をされていた選手たちの市場価値は少し下落しており、7.5Mポンド以下の評価を受けていた選手の価値は大幅に下がっている。
- ワールドクラスの選手や注目の若手選手に関しては市場価値の大きな変動はない
実際に各作品を比較してみると、大きな違いがあることがわかります。
以下は「セリエA」「プレミアリーグ」「ブンデスリーガ」「ラ・リーガ」「リーグ1」5つのリーグに在籍する全ての選手を、ゲーム開始時点の市場価値を基に8つのグループに分類した表です。
市場価値 | FM20(対象者 : 5418人) | FM21(対象者 : 5562人) |
40Mポンド(約55億円)以上 | 119人 | 74人 |
30Mポンド(約40億円)以上~40M未満 | 94人 | 84人 |
20Mポンド(約27億円)以上~30M未満 | 212人 | 171人 |
15Mポンド(約20億円)以上~20M未満 | 164人 | 148人 |
10Mポンド(約14億円)以上~15M未満 | 268人 | 149人 |
7.5Mポンド(約10億円)以上~10M未満 | 178人 | 121人 |
1Mポンド(約1億4000万円)以上~7.5M未満 | 1081人 | 1071人 |
1Mポンド(約1億4000万円)未満 | 3302人 | 3744人 |
30Mポンド未満の評価を受けている選手の数が減少していることはもちろんですが、特に1Mポンド未満の選手の数が400人近く増加している点は注目すべきでしょう。
また以下の表はゲーム開始時点で市場価値が高い選手をランキング形式に並べたものです。
※選手名はグーグルの検索時に表示されるものを使用しています。
順位 | FM20(市場価値/選手名) | FM21(市場価値/選手名) |
1 |
91Mポンド(約125億円)/ネイマール |
86Mポンド(約118億円)/ケヴィン・デ・ブライネ |
2 | 88Mポンド(約120億円)/ケヴィン・デ・ブライネ | 83Mポンド(約114億円)/ネイマール |
3 | 86Mポンド(約118億円)/キリアン・エムバペ |
83Mポンド(約114億円)/キリアン・エムバペ |
4 | 82Mポンド(約112億円)/エデン・アザール | 80Mポンド(約110億円)/ハリー・ケイン |
5 | 80Mポンド(約110億円)/ロベルト・レヴァンドフスキ | 77Mポンド(約105億円)/サディオ・マネ |
6 | 78Mポンド(約107億円)/セルヒオ・アグエロ | 77Mポンド(約105億円)/モハメド・サラー |
7 | 77Mポンド(約105億円)/ハリー・ケイン | 72Mポンド(約99億円)/ラヒーム・スターリング |
8 | 75Mポンド(約103億円)/ガレス・ベイル | 71Mポンド(約97億円)/ベルナルド・シウバ |
9 | 75Mポンド(約103億円)/アントワーヌ・グリーズマン | 70Mポンド(約96億円)/ロベルト・フィルミーノ |
10 | 74Mポンド(約101億円)/ラヒーム・スターリング | 67Mポンド(約92億円)/エデン・アザール |
FM20と比べると、ランキングに名前を連ねる選手たちの市場価値が全体的に下がっていることがわかります。
もちろんコロナの影響以外にも選手のパフォーマンスが市場価値に影響を与えていることは当然ですが、今作でパンデミックの影響が市場価値に大きく反映されていることは間違いなさそうです。
主に移籍に関わる情報を取り扱う「Transfer Markt」によると、世界中で最も市場価値が高い選手はキリアン・エムバペで現在160Mポンド(約220億円)で評価されています。パンデミックが起きる前の昨年12月時点での評価は、180Mポンド(約247億円)だったため10%低い数値です。ほかにも市場価値が高いとされている上位10人の内9人は、昨年12月時点の市場価値と比べると10~30%ほど下落しています。
移籍市場における変化
FM21ではパンデミックによる経済的ダメージが再現されているため、ゲーム開始時点の各クラブの財政状況は前作と比較して悪くなっています。
以下の表は各移籍市場が終了してから確認した、5つのリーグの移籍金総額と総件数をまとめたものです。
セリエA | FM20 | FM21 |
夏移籍金総額/件数 | 908M(約1250億円)/185 | 128M(約165億円)/112 |
冬移籍金総額/件数 | 29M(約40億円)/19 | 96M(約132億円)/39 |
プレミアリーグ | FM20 | FM21 |
夏移籍金総額/件数 | 1.59B(約2189億円)/221 | 1.18B(約1625億円)/160 |
冬移籍金総額/件数 | 340M(約468億円)/14 | 210M(約289億円)/39 |
ブンデスリーガ | FM20 | FM21 |
夏移籍金総額/件数 | 783M(約1078億円)/238 | 311M(約428億円)/112 |
冬移籍金総額/件数 | 49M(約67億円)/10 | 25.5M(約35億円)/13 |
ラ・リーガ | FM20 | FM21 |
夏移籍金総額/件数 | 962M(約1325億円)/186 | 303M(約417億円)/107 |
冬移籍金総額/件数 | 200K(約2700万円)/5 | 3.7M(約5億円)/6 |
リーグ1 | FM20 | FM21 |
夏移籍金総額/件数 | 650M(約895億円)/273 | 449M(約681億円)/188 |
冬移籍金総額/件数 | 64M(約88億円)/8 | 19M(約26億円)/16 |
今年の夏の移籍市場で支払われた総額は、5つのリーグすべてで過去4~5年の最低金額を記録しています。ただしその下げ幅は様々で、ラ・リーガは前年の1200Mポンド(約1650億円)から310Mポンド(約425億円)と大幅に下落したのに対し、プレミアリーグでは1475Mポンド(約2030億円)から1340Mポンド(約1845億円)と他のリーグに比べるとわずかな減少幅にとどまっています。
ローン移籍・フリー移籍に関する変化
各クラブの財政状況が悪化したことによって引き起こされた移籍市場における変化は、各移籍の内容にも影響を与えています。
以下の表は1年間に行われたすべての移籍に対して、ローン・フリー移籍が占める割合を各リーグごとにまとめた表です。
ローン移籍 | FM20 ローン移籍の割合(ローン移籍数/移籍総数) | FM21 ローン移籍の割合(ローン移籍数/移籍総数) |
セリエA | 33%(67/204) | 47%(71/151) |
プレミアリーグ | 32%(76/235) | 47%(93/199) |
ブンデスリーガ | 6%(16/248) | 12%(15/125) |
ラ・リーガ | 17%(33/191) | 26%(29/113) |
リーグ1 | 15%(42/281) | 29%(60/204) |
フリー移籍 | FM20 フリー移籍の割合(フリー移籍数/移籍総数) | FM21 フリー移籍の割合(フリー移籍数/移籍総数) |
セリエA | 0.5%(1/204) | 1%(3/151) |
プレミアリーグ | 2%(4/235) | 5%(9/199) |
ブンデスリーガ | 1%(2/248) | 7%(9/125) |
ラ・リーガ | 1%(2/191) | 8%(9/113) |
リーグ1 | 5%(13/281) | 10%(20/204) |
FM20と比べると、すべてのリーグでローン・フリー各移籍が占める割合が増加していることが分かります。
またローン移籍に関しては、「試合出場時 or 不出場時に保有権を持つクラブへ支払わなければいけない月額」条項が契約内容に追加で盛り込まれている移籍の数がFM21では大幅に増えています。
※FM20のローン移籍リスト。「Fee/支払い」を見ると、確認できる範囲で月々支払う額が設定されている移籍はわずか2件しかありません。
※以下はFM21のローン移籍リスト。「Fee/支払い」を見ると、月額使用料が設定されている移籍の数が増えていることがわかります。
補強する側は金銭的な負担が少ないローン・フリー移籍をより利用する傾向が強くなり、選手を放出する側はローン移籍からも利益を求めるようになったということでしょう。
FMほど大きな変化がみられるわけではないものの、現実世界でも全体の移籍数の中で各移籍が占める割合は前年に比べて大きくなっています。CIESが発表したデータによると、ローン移籍の割合は全体の23%から30%、フリー移籍は23%から32%と前年の夏と比較して増加しているようです。
日程の過密化・交代枠増加による変化
今作では現実で採用されている日程も忠実に再現しているため、どのリーグでも過密日程になっています。またプレミアリーグ以外の主要リーグは5人交代制を採用していますが、2021-2022シーズン以降は通常ルールに戻るように設定されています。
今回は「プレミアリーグ」「ラ・リーガ」の1シーズンのケガ人の数をFM20と比較することで、これらの変化が選手の体調にどのように影響するのか確認してみました。以下の表はシーズン中にケガをした各リーグに所属する選手の合計数を比較したものです。
1シーズンを通してケガで離脱した選手の数 | FM20 | FM21 |
プレミアリーグ | 1103人 | 1093人 |
ラ・リーガ | 963人 | 964人 |
日程の過密化に加えて長距離移動による選手の体調への影響度が大きくなっていることもあり、前作よりケガ人の数が増加すると予想していましたが結果的にあまり大きな変化はありませんでした。ゲームとしてのバランスを取るためにある程度の調整が入っているのかもしれません。
ケガ人の数が前年と比較して増加したことを示したデータやニュースは、5人交代制を採用していないプレミアリーグ以外見つかりませんでした。プレミアリーグの場合は、前年の同試合数をこなした時期と比べると16%ケガ人が増加していると報じられています。
まとめ
みなさんいかがでしたか?
全体的に現実に沿った変更を導入しつつも、1年目からサポーターが通常どおり観戦する点など現実と理想のバランスが上手く取れているのではないかと思います。
チャンピオンシップやリーグ1・リーグ2では今週末20日の試合から5人交代制を採用するようですが、今後もこのような変更が現実世界で起こるかもしれません。こうした変更がゲーム内でも再現されるのか、24日にリリースされるFM21を今後も注目していきたいと思います。
今回もご覧いただきありがとうございました。