みなさんこんにちは!
前回に引き続き「チーム全体への指示」を中心に解説を行います。これまでの経験と自分なりの解釈が基になっているので、あくまでも数ある情報の1つとして参考にしてみてください。
※「メンタリティ」「ポゼッション時」の指示に関しては、以下の前編で説明を行っています。
みなさんこんにちは! 今回は、戦術を組み立てる際に基本となる「メンタリティ」「チーム全体への指示」を中心に解説を行います。これまでの経験と自分なりの解釈が基になっているので、あくまでも数ある情報の1つとして参考にしてみてください。 […]
- 1 戦術を決める「チーム全体への指示」と、キープレーヤーを決める「各選手への指示」
- 1.1 トランジション時の指示
- 1.2 非ポゼッション時の指示
- 1.2.1 Use Offside Trap/オフサイドトラップを使え
- 1.2.2 Line Of Engagement/エンゲージライン
- 1.2.3 Defensive Line/ディフェンスライン
- 1.2.4 Defensive Width/ディフェンスの幅
- 1.2.5 Use Tighter Marking/タイトにマークしろ
- 1.2.6 Pressing Intensity/プレスの激しさ
- 1.2.7 Prevent Short GK Distribution/ゴールキーパーの短いパス出しを防げ
- 1.2.8 Stay On Feet/立ったまま当たれ
- 1.2.9 Get Stuck In/激しく当たれ
- 2 まとめ
戦術を決める「チーム全体への指示」と、キープレーヤーを決める「各選手への指示」
「チーム全体への指示」は「ポゼッション時」「トランジション時」「非ポゼッション時」の3つのエリアに分かれており、各指示は「目指す戦術を再現する」「積極性・創造性のレベルを調節する」主に2つの目的で使用します。
今回は「トランジション時」「非ポゼッション時」に分類される各「チーム全体への指示」の意味や使用方法を確認していきます。
トランジション時の指示
このエリアに分類される指示は、攻守が切り替わった際の選手のプレイに関わる指示です。
When Possession Has Been Lost/ポゼッションを失った時
相手チームがポゼッションを得た瞬間に、各選手が相手選手へどのようなアプローチをとるのか「Counter-Press/カウンタープレス」「Re-Group/立て直せ」から選択することができます。
「Counter-Press/カウンタープレス」を選択すると、ポゼッションを失った次の瞬間にボールを保持した相手選手に対してプレスをかけに行きます。すぐにボールを奪い返せる可能性があるため、高い位置からショートカウンターを狙いたい場合に効果的な指示となります。
ただし状況によっては複数人が同時にプレスをかけることになるため、各選手が空けたスペースを相手チームに利用されることがある点に注意しましょう。また通常のプレスと同じように、優秀な「Teamwork/チームワーク」「Work Rate/運動力」「Stamina/スタミナ」能力が各選手に求められます。
※「Counter-Press/カウンタープレス」を選択した際に表示される矢印からも分かるように、DF以外のポジションの選手がカウンタープレスを行います。
「Re-Group/立て直せ」を選択すると、ポゼッションを失った瞬間から各選手は守備陣形を整えることを最優先に行動します。プレスをかけないため、相手チームの選手に対して余計なスペースを与えることなく、スムーズに守備へと移行することができます。堅実な守備を戦術に取り入れたい場合に効果的な指示です。
When Possession Has Been Won/ポゼッションを得た時
ポゼッションを得た瞬間の各選手の動きを「Counter/カウンター」「Hold Shape/陣形を保て」から選択することができます。
「Counter/カウンター」の指示を出すと、ポゼッションを得た際に該当する選手たちが一斉に前に走り出します。相手チームの守備陣形が整う前に攻撃に移ることができるため、カウンターを攻撃のメインに据える場合は必須となる指示です。前に人数が揃っている時や、攻撃的なFB/WBの選手がいる際に非常に効果的な指示になるでしょう。
「Hold Shape/陣形を保て」の指示を出すと、各選手はポゼッションを得た際に陣形を維持するようになります。安定したビルドアップに繋げることができるため、ポゼッション率を高め試合をコントロールしたい場合に効果的な指示となります。
GoalKeeper In Possession/ゴールキーパーのポゼッション時
ゴールキーパーがどのくらい時間をかけてボールを供給するのか「Distribute Quickly/素早く出せ」「Slow Pace Down/ペースを落とせ」から選択することができます。
「Distribute Quickly/素早く出せ」の指示を出すと、ゴールキーパーは時間をかけずに味方へボールを供給するようになります。守備からカウンターにスムーズに繋げたい場合に効果的な指示となります。
「Slow Pace Down/ペースを落とせ」の指示を出すと、ゴールキーパーはより時間をかけて味方へボールを供給するようになります。試合終盤でなるべく時間をかけたい場合、「Time Wasting/時間稼ぎ」「Play For Set Pieces/セットプレイを取れ」と組み合わせることで効果的な指示となるでしょう。
Distribute To Area・Player/供給するエリア・選手
ゴールキック時にどのエリア・選手に優先してボールを供給するのかを設定します。
後方から安定したビルドアップを行いたい場合は、CBやFB/WB・またはプレイメーカーにボールを供給するように指示を出しましょう。ポゼッション時のチーム指示である「Play Out Of Defense/ディフェンスからパスを組み立てる」と組み合わせることで、ポゼッション率を高め試合をコントロールすることができます。
ただしGK含む各選手は、高い「Passing/パス」「First Touch/ファーストタッチ」能力を持つ必要があります。また「Composure/冷静さ」「Decision/判断力」がある程度高くないと、プレスをかけられた時に冷静な判断を下せず、ボールを簡単に失う可能性がある点に注意しましょう。






Distribution Type/供給タイプ
GKがどのようにボールを供給するのかを「Roll It Out/転がして出せ」「Throw It Long /長く投げろ」「Take Short Kicks/短く蹴りだせ」「Take Long Kicks/長く蹴りだせ」4つの方法から選択することができます。供給するエリアによっては、選択できない供給方法もあります。
「Roll It Out/転がして出せ」は、ボールを転がすことで近くの味方選手にパスを出します。後方からパスを繋げたい場合に効果的な指示となります。
「Throw It Long /長く投げろ」は、ボールを投げることでより遠くの味方選手にパスを出します。「Distribute Quickly/素早く出せ」と組み合わせることで、カウンターに活かすことができます。
非ポゼッション時の指示
このエリアに分類される指示は、相手チームがボールを保持している際の選手のプレイに関わる指示です。
Use Offside Trap/オフサイドトラップを使え
オフサイドトラップを使用するように指示を出します。
ディフェンスラインを高く設定していて、相手チームに利用される可能性が高い裏のスペースが大きい場合に効果的な指示となります。またオフサイドトラップが不発に終わっても挽回するチャンスが残されているため、特にラインを高く設定している際は足の速いDFを起用することでデメリットを多少和らげることもできます。
ただし使用する際は以下の点に注意しましょう。
- ディフェンスライン上でプレイする各選手は、冷静に正しい判断を下すために優秀な「Composure/冷静さ」「Concentration/集中力」「Decision/判断力」能力を持つ必要があります。
- またユニットして機能させるために高い「Teamwork/チームワーク」能力や、守備時の空間把握能力に関わる「Anticipation/予測力」「Positioning/ポジショニング」が高い必要もあるでしょう。
- ディフェンスライン間際にポジショニングする「Poacher/ポーチャー」「Advanced FW/アドバンストFW」は高いオフ・ザ・ボール能力を持つことが多いため、オフサイドトラップが機能しないことがあります。対戦相手の選手能力やプレイ特性(特に「Try To Beat The Offside Trap/オフサイドトラップを破るのを好む」)もチェックするようにしましょう。
Line Of Engagement/エンゲージライン
各選手がどのタイミングでプレスを始めるのかを設定するための指示です。メンタリティによって影響を受けます。
エンゲージラインを高く設定すると、相手チームのビルドアップに対して早い段階からプレッシャーをかけることができるため、相手陣地内でボールを奪える可能性が高くなります。そのためポゼッション率を高め試合をコントロールしたい場合や、ショートカウンターを狙う際には効果的な設定になるでしょう。
ただし各選手は早い段階からプレスをかけ始めるため、自然と守備陣形が間延びする傾向にあります。プレス強度にもよりますが、相手チームにスペースを与える可能性があるという点に注意をしましょう。
逆にエンゲージラインを低く設定した場合はディフェンスラインの高さに関係なく、自然と守備陣形がコンパクトになり各選手がサポートに入りやすい状態になるため、後述する「Use Tighter Marking/タイトにマークしろ」「Get Stuck In/激しく当たれ」等のリスクが高い指示を割り当てやすくなります。
またプレッシャーが少なくなり自由にプレイできる分、相手チームの陣形は前のめりになっていき裏のスペースが大きくなります。特に低めに設定したディフェンスラインと組み合わせることで、相手チーム全体を深い位置まで引き込むことができるため、ロングカウンターを狙うには最適な設定になります。
Defensive Line/ディフェンスライン
最終ラインの高さを決めるための指示です。メンタリティによって影響を受けます。
ディフェンスラインを高く設定すると、相手チームが利用できるスペースを敵陣内に限定することができます。自然とエンゲージラインも高くなるため、高い位置でボールを奪い試合を支配したり、ショートカウンターを狙いたい場合に効果的な指示となります。
ただし通常よりも大きくなる裏のスペースをカバーするために、足が速いDFや「Use Offside Trap/オフサイドトラップを使え」を戦術に組み込む必要があるでしょう。

Defensive Width/ディフェンスの幅
選手間の距離を調節するための指示です。
幅を狭く設定した場合、中央のエリアにはスペースが少なくなるため、相手チームの攻撃はサイドに寄らざるを得なくなります。相手チームのSTに高さがない場合や、頻度が増えるであろうサイドからのクロスに対応できる、高身長かつ高い「Heading/ヘディング」「Balance/バランス」「Jumping Reach/ジャンプ到達点」「Strength/強靭さ」能力を持つCBやGKがいる場合に効果的な指示となります。
ただし相手チームに優れたクロス供給能力を持つサイドの選手がいて、さらにオフ・ザ・ボールの動きに優れたSTがいる場合。エリア内にロークロスを中心に供給されると、例え中央のスぺースが少なくても得点される可能性が高い点に注意してください。
Use Tighter Marking/タイトにマークしろ
相手チームの各選手にスペースを与えないように、より近くで厳しくマークするように指示を出します。
相手チームよりも圧倒的に優れている場合や、ディフェンスラインやエンゲージラインを低く設定することで、選手間の幅を狭めて守備を堅固にしている場合に効果的な指示になります。
ただし相手チームと力量差がそこまで大きくない場合は、各選手の守備能力(「Marking/マーキング」「Positioning/ポジショニング」等)が相手チームのオフ・ザ・ボール能力・瞬発力を上回ることができず、マークを振り切られる場面が多くなります。対戦相手によってはリスクが高い指示になることを覚えておきましょう。
また守備陣形の縦の幅が以下の画像の様に大きく設定されていると、マークを振り切られた際に他の選手がサポートに入ることができず、スペースを利用されてしまう点に注意しましょう。
Pressing Intensity/プレスの激しさ
どの程度激しくプレスをかけるのか調節するための指示です。メンタリティによって影響を受けます。
より激しくプレスをかけるように指示を出すと、相手チームの各選手に対してより素早い判断を強いることができます。結果的に攻撃側の判断ミスが増えるため、ボールを奪取しやすくなる点が大きなメリットです。
チームとして連動したプレスをかけ続けるために必要な「Teamwork/チームワーク」「Work Rate/運動力」「Stamina/スタミナ」能力が高い選手がチームに多く所属している場合に効果的な指示になります。また相手チームに優秀な「Composure/冷静さ」「Concentration/集中力」「Decision/判断力」能力を持つ選手が少ない場合は、より多くのミスを誘発することができるでしょう。
ただし各選手が本来いるべきポジションから離れてプレスをかけに行くことで、守備陣形が大きく崩れてしまためリスクが高い指示の1つとなります。特に攻撃時のテンポが速いチームや判断能力に優れる選手が多いチームと対戦する場合は、空いたスペースを利用されることが多くなる点に注意してください。
また「Use Tighter Marking/タイトにマークしろ」と同様に各選手間の距離が大きい場合、パスやドリブルでプレスを躱された選手のサポートに入りづらくなります。そのため激しくプレスをかけるように指示を出す時は各選手間の距離を縮めるために、エンゲージラインとディフェンスラインの距離間を狭く設定することをおすすめします。


Prevent Short GK Distribution/ゴールキーパーの短いパス出しを防げ
相手チームのGKがボールを保持している時に、ショートパスの受け手となり得るDFにプレスをかけるように指示を出します。
主な目的は相手GKの持つ選択肢を限定して後方からのビルドアップを防ぐことにありますが、相手DFの「Composure/冷静さ」「Concentration/集中力」「Decision/判断力」「Passing/パス」が低い場合、DFにプレッシャーをかけることで不用意なパスを誘い相手ゴール近くでボールを奪うことも可能です。
また単純にプレスをかけに行く選手の数が多いほど効果的な指示になるため、前線に人数が揃っているフォーメーションと組み合わせて使用するといいでしょう。
Stay On Feet/立ったまま当たれ
ボールを保持している相手選手に対して、スライディングタックルをしないように指示を出します。
リスクが高いスライディングタックルを控えることで、不必要に相手選手に抜かれる場面が少なくなります。「Tackling/タックル」能力が低い選手が多い場合や、より堅固な守備陣形を敷きたい場合に効果的な指示となります。
どのレベルのチームにも割り当てられる指示ですが、ボール奪取率が通常よりも落ちるため、プレスを弱める指示や守備陣形を下げるような保守的な指示と組み合わせると、例え優秀な選手が揃っていたとしても相手に蹂躙されるため注意が必要です。
Get Stuck In/激しく当たれ
ボールを保持している相手選手に対してより激しく強く当たるように指示を出します。結果的にリスクが高いスライディングタックルの試行回数が増えることになります。
そのためファールをもらわずにタックルを成功させる技術を持つ、「Tackling/タックル」能力が高い選手がチーム内に多く所属している場合は、より効果的な指示となります。
ただし例え優秀なディフェンス能力を持つ選手が揃っていても、この指示を使用していないチームと比較して年間で50~100ほどファール数が増えます。イエローカードやレッドカードも約1.5~2倍増加するため、結果的に選手起用にも影響が出てくる点に注意してください。
またスライディングを躱されると数的不利になるため、リスクが高い指示の1つとなります。フォローに入る選手が近くにいる必要があるため、エンゲージラインとディフェンスラインの間隔は狭くしておくといいでしょう。
まとめ
みなさんいかがでしたか?
今回紹介した守備に関わる「チーム全体への指示」は、調節が効かない0か100の指示が多くなっています。そのため在籍する選手の質が他のクラブより遥かに優れているビッククラブの指揮を執る時以外は、対戦相手や選手の特徴を把握した上で試合ごとに各指示の足し引きを行う必要があるでしょう。
初めは上手く機能せず勝ち点を落とすことが多いかもしれませんが、そんな時はぜひ前回からの記事を参考にしてみてください。
文中で紹介した「各選手への指示」「Opposition Instructions/相手選手への対応指示」については後編で取り扱います。次回からは一度各選手の役割に焦点を当てて、各役割に適したフォーメーションや指示の振り方を紹介していきます。第一弾は「Regista/レジスタ」の予定です。
今回もご覧いただきありがとうございました。